ビタミンCの多い食材は?と聞かれるとまず「レモン!」と答える人が多いでしょう。それほどレモン=ビタミンCのイメージは私たちに染みついています。
これは、TVCMや広告、商品パッケージでよく見る「レモン4個分のビタミンC!」のようなキャッチコピーの影響もおおきいでしょうね。
実際のところ、レモンよりビタミンCが多い食品も結構あります。今回はレモン君の本当の実力がどれだけか暴いていきましょう。
レモン惨敗?もっとビタミンCが多い食材をばらします!
食品成分データベース(文部科学省)によると食品100gあたりのビタミンC保有量は、
(mg) | |
レモン/全果 | 100 |
レモン/果汁 | 50 |
アセロラ/酸味種 | 1700 |
グァバ/白肉種 | 220 |
めキャベツ/結球葉 | 160 |
ゆず/果皮 | 160 |
ブロッコリー/花序 | 140 |
キウイフルーツ/黄肉種 | 140 |
すだち/果皮 | 110 |
カリフラワー/花序 | 81 |
にがうり/果実 | 76 |
青ピーマン/果実 | 76 |
かき/甘がき | 70 |
キウイフルーツ/緑肉種 | 69 |
モロヘイヤ/茎葉 | 65 |
いちご | 62 |
レモン果汁で比較すると惨敗ですが、レモンまるごと(全果 = へた・種以外全て)ならいい線いってます。グラフで見てみましょう。
食品成分データベース(文部科学省)データを元に当サイトでグラフを作成
もうアセロラが、ダントツでヤバイほどぶっちぎってますね。グァバも200mg入ってすごい。
しかしですよ、レモンまるごとでビタミン C100mgというのは皮も含めてですからね。皮も食べるとなると残留農薬なんかも気になりますね。現実的には、皮を食べる機会は多くないと思います。
となると、レモンがなぜこんなにもビタミンCのイメージなのでしょうか。実はそれにはちゃーんと理由があるのです!
食品のビタミンCの配合量で「レモン」が使われるたった2つの理由
ビタミンCはそもそも「なんでレモンなんだ?」って疑問に思ったことありませんか。理由2つあると考えます。キーワードは「分かりやすさ」といえるかもしれません。
1. レモンのビタミンCの保有量のキリがよかった
レモンのビタミンC保有量を見てみましょう。
・レモン まるごと(100mg)
・レモン 果汁 (50mg)
※100gあたり
まさにピッタリ賞です。キリがいいし非常に覚えやすい数字だと思います。これってビタミンCを説明するときに便利ですよね。
そして「レモン1個(120g)」は一般的にビタミンCは、20mgと決まっています。これもキリがよくて分かりやすい。
実はこれ食品業界のガイドラインで定められているんです。
清涼飲料業界では、清涼飲料水に添加したビタミンCの量をレモン果実の個数により表示することが消費者にとって商品選択のための比較の目安となる表示であり、飲料業界としても同一基準で表示することが望ましいとの判断から、従来から「ビタミンC含有菓子の品質表示ガイドライン」における基準値(20mg/1個)を準用して表示してきました。
引用:「レモン果実1個当たりのビタミンC量」表示ガイドライン / 一般社団法人全国清涼飲料工業会
ガイドラインの「レモン1個 = 20mg」 の根拠は下記の式の通りです。
120g(レモン1個重量) × 30%(果汁分) × 50mg(Ⅴ.C) / 100g(果汁) ≒ 20 mg
つまり「ビタミンCがレモン30個分」だとすると、ビタミンCが 20mg × 30個 = 600mg の含まれているということになります。
2. イメージしやすく健康によさそう(マーケティング)
分かりやすく「イメージしやすい」のはマーケティングでは非常に強力な武器になります。ビタミンCは、風邪をひいたときや健康のためにとるという健康に良いイメージがありますよね。
ではここで、
あなたが、レモンをガブッとかじった場面を
頭に思い浮かべてください・・・。
「つば」出てきませんか?
私は既に大洪水ですw。これって地味にすごいことですよね。
レモンには酸っぱいという強烈なイメージがある。その「酸っぱさ」はいつの間にか「ビタミンCがいっぱい」だから「酸っぱい」というイメージにすり替わり。さらに健康に良いとイメージが加わっている。
「ビタミンC = 酸っぱい」のイメージが強いと思いますが。でもあの強烈な酸っぱさ、実はビタミンCのものというよりはクエン酸によるものです。だって、もしビタミンCがめっちゃ酸っぱいなら、レモンよりだいぶビタミンCが多いブロッコリなんて酸っぱくて食えないはずでしょ。
ちなみに、ビタミンCの色も黄色ではなく無色です。CCレモンなど、ビタミンCを押し出す商品は、黄色になりがちですよね。
同じ酸っぱいものだと、お酢なんかも健康に良いイメージだと思います。
飲み物に「レモン10個分のビタミンC」なんてみると
自動的にこの商品は「健康にいい栄養をたっぷりとれるんだ」って印象になる。
たとえば「ビタミンC 200mg 配合!」といわれても普通の人はピンとこないと思います。
これは、多いのか少ないのか、よく分からん??
でもこれ1本で「ビタミンCがレモン10個分!」といわれれば単純に「スゲー!」ってなりますよね。インパクトが全然違います。レモン10個なんて一気に食えませんからね。
さてビタミンCが「200mg配合」と「レモン10個分」どっちの商品をあなたのお母さんは買うでしょうか?
ところで、ビタミンCは1日にどれくらい摂ればいいの?
厚生労働省の日本人の食事摂取基準(2020 年版)によれば、
成人は、100 mg / 日
が推奨摂取量とされている。でもこれはあくまで、食事のによる摂取で一般的な健康維持での推奨量だ。
さっそく食品業界レモンガイドラインに合わせると
「毎日、レモンなら5個を食べなければならない!」(無理)
健康になんとなく良いイメージのあるビタミンC。あなたはどれくらい具体的に知っていますか?ざくっとまとめてみましょう。
主な作用:
免疫を強化して病気になりにくくする。コレステロールを低下させる。「コラーゲン」生成を助け肌や爪、髪を綺麗にする。アレルギー症状を緩和させる。肝機能を強化させる。
足りなくなると:
肌や荒れ、髪や爪がボロボロに。風邪をひきやすくなる。歯茎の出血が起こりやすくなる。怪我の回復が遅くなる。
摂り過ぎると:
多く摂っても「おしっこ」で余分なビタミンCは排出されてしまうので、中毒等の心配はない。
さらにビタミンCは、飲酒や喫煙でも消費されてしまう。そして筋トレなんかにもイイ効果がありそう。
トレーニングにもビタミンCが大活躍か
メジャーリーガーのダルビッシュ有選手の指導も手がけたことで有名な筋肉博士の山本義徳氏によれば1日3-7gのビタミンC摂取によりテストステロン(筋肉の発達に重要な役割を果たす)の増加が期待できるという。
その根拠は下記の実験だ
実験1※ではビタミンCの補給がテストステロン増加効果が示唆されている。さらに、激しいトレーニングによるテストステロン低下の防止も期待できるという。実験2 ※
実験1※ Effect of vitamin C on male fertility in rats subjected to forced swimming stress
実験2※ The effect of ascorbic acid supplementation on sperm quality, lipid peroxidation and testosterone levels of male Wistar rats.
3-7gってmgに直すと3,000-7,000mgですね。恒例のレモンに直してみましょう。
レモン1日 150個~350個食べなければなりません!(絶対無理)
先生!レモン1日100個も食べられません!じゃあどうする?
食事からビタミンCをとろうとすれば3,000-7,000mgの摂取はほぼ不可能でしょう。
ましてや、レモンを1日300個も食べられません。
じゃあどうすればいいのか、そんなときひじょーに便利な「サプリメント!」というものがあるじゃないですか。
DHCやディアナチュラなどメジャーなビタミンCプリメントでもたいてい一般的に1日1,000 mg (レモン50個分)程度が推奨されてますね。
もうレモン食ってる場合じゃないですよ!
最近のトレンドは、リプライセルをはじめ吸収が高いとされる「リポソームビタミンC」。一時は、美容ユーチュバーが取り上げまくったり、マジで品切れ続出するほど、美白や美容に敏感な女子の間でメチャクチャブームになってましたね。
美容が目的だとだいたい合わせて、Lシステインも一緒にとられてますね。肌の暗さが気になる人は試してみるといいかもせれません。
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